吉野祐子建築事務所 | 徳島 住宅設計・リフォーム・リノベーション

2021/05/14 つい目に留まった。

天気の良い日の現場帰り、遮断機の手前で停車中、ふと見た脇に目に留まるものがありました。
なんてことはないです。農具をしまったり収穫した根菜なんかを保存しておく納屋です。
多分徳島ならそれほど珍しいものでもないのでしょうが、いえ普段特に気にも留めずにいるので
最近もしかすると「納屋」は珍しい建築物になっているのかもしれません。
実際私の実家の納屋はいつの間にか、本当にいつの間にか取り壊されてなくなっていましたし。

そうです。実家にも、しかもこの形の納屋があり、
そしてこれもいつの間にかなくなっていたのですが、お隣さん家にも同じのがありました。
そのお隣の納屋は私が使っていた子ども部屋から庭を挟んだそこにありました。
毎日毎日その納屋をこの写真のように真っすぐ真横から見ていました。
ああ、そうか。ストンと気持ちがあるべきところに落ち着く形(プロポーションと言いますか)、
それを含めた景色をここで偶然見つけたわけです。
今は車の窓から、何十年も前は子ども部屋の窓から見ていた景色。
好きだったんだなあ。偶然、何年も経って気が付きました。好きだったんだなあ。

2018/05/08 散策の楽しみ

連休中に日帰りで小豆島に行ってきました。
日帰り、と言っても、徳島から香川と言っても、
車に乗り、阿讃山脈(讃岐山脈)を越えてそのふもとを走り、徳島と違う山のかたちを眺め、
瀬戸内海の島々のあいだの穏やかな海をフェリーで渡るのは、旅の気分を十分味わえるものでした。

小豆島滞在のうち、こう、私の心がくすぐられたのは、中山の棚田です。
条件の良くない環境で、昔の人たちが自然と折り合いをつけて守り続けてきた風景。

地形に沿って水が引かれる。水が引かれない所、棚田の上部には集落がある。側には共同の洗い場。
田んぼを見守る小さな社は大きな杉の木で強調される。
集落の入口の鎮守の森には農村舞台があり、未だ現役。

そこに住む人たちの生活も、歴史も文化も、季節も、ゆるやかに重なり合う風景。
豊かな風景とは、こういう風景を言うんでしょうね。

2018/01/11 私の神社考

神社が好きです。大好きです。
特に夏の神社が好きなのですが、今月はお正月。
3日に初詣、9日にえべっさんに行って来ました。
初詣には鳴門市の大麻比古神社、えべっさんは徳島市通町の事代主神社です。

こちらがえべっさん、事代主神社。

えべっさんにはここ十数年、毎年お詣りに来ていましたが、「吉野建築事務所」としてでは初めてです。
...その割にお賽銭が少なかったかな。

もちろんえべっさんでは「たくさんお仕事がいただけますように。」と手を合わせました。
ですが、そこには鳥居さんと拝殿(拝殿)があるだけで、森はありません。
大麻比古神社には、神様がいらっしゃる大麻山に続く大きな鎮守の森が境内を囲っています。
その森では、続く参道の奥行を楽しみ、大きなクスノキを見上げながら、
敷き詰められた砂利を踏みしめ踏みしめ、自分の立ち位置を確認できました。
拝殿に到達するまでのその時間に神社詣での意義は、私の場合、達されているかもしれません。
ただ「今年もよろしくお願いします。」と手を合わせてきました。


この奥行き感。
わくわくします。

 


夏には緑とその影が息苦しいくらいに濃くなって、虫や鳥たちの気配が近くに感じられる。
おおあさはん、また夏に遊びに来ますね。

 

 

 

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